前回はテープ起こしのやり方について紹介してきましたが、ケバ取りが起こし方の中で最もポピュラーなのに対し、最もマイナーな起こし方というのが今日紹介する「要約(サマリー)」になります。
テープ起こしの仕事をしている中で、要約は最も依頼の少ない起こし方になりますが、どうして需要がないのでしょうか?…要因の一つとして、用途が限定されてしまうことがあげられます。
要約(サマリー)とは?
要約というのは、テープ起こしをした原稿をクライアント(依頼人)の希望の文字数にまとめて、見出しをつけたり、チャプター分けをしながら起こす方法になります。
そのため、録音された音声の内容をすべて把握したいというクライアント(依頼人)には不向きな起こし方といえます。
要約の用途について
最適といえる要約の用途としては、講演や講義などで一人の話し手がずっと話しをされている録音になります。逆に会議などで複数のスピーカーが短く発言されている録音には適していません。
要約というのは、はじめに粗起こし(あらおこし)を行って、納品する際は要約された原稿のみというのが一般的になります。
そのため、全体の原稿を見ながらまとめたいというクライアント(依頼人)は、整文を依頼されて自身でまとめられているケースが多いです。
要約は難しい?
録音された話しの内容をただまとめるだけなら、それほど難しくないようにも思えますが、やってみるとこれがなかなか難しい作業なのです。
こちらが重要だと考えて残したセンテンス(文)も、クライアント(依頼人)から見ると、必要ないものだったりする場合もあるからです。
長時間の録音を指定された文字数まで減らすという作業も、かなり神経を使う作業になります。